史跡玉川上水と名勝小金井(サクラ)とは

小金井桜とは

小金井と桜の歴史は江戸時代までさかのぼります。かつて、小金井といえば誰もが玉川上水の桜並木を連想し、江戸・東京近郊随一の桜の名所でした。 

玉川上水の桜は、今から約290年前の江戸時代中頃、小金井橋を中心とした玉川上水堤両岸6kmにわたり人に手によってつくり出されたものです。江戸幕府の指示により、代官川崎平右衛門定孝が、吉野山(奈良県)や桜川(茨城県)などの名所から集められたヤマザクラをたくさん植えました。

見事に成長した桜並木は、小金井桜や御上水桜などと呼ばれ、江戸時代の浮世絵師歌川広重も小金井桜を題材にした作品を多く残しています。

1924(大正13)年に文化財指定

1924(大正13)年12月9日には、「小金井(サクラ)」(当時は櫻)として国の名勝に指定されるまでとなりました。全国の桜の名所での名勝指定は、小金井桜の親「吉野山」と「桜川(サクラ)」とともに国内第1号の快挙でした。

まちの発展は小金井桜とともに

この桜を愛でるために全国から多くの花見客が訪れ、小金井は行楽地として賑わいました。現在のJR武蔵小金井駅は、指定に先立つ1924年4月につくられた花見客のための仮乗降場を前身とするとも言われ、小金井桜は小金井周辺地域の発展に大きく寄与しました。

名勝小金井(サクラ)復活プロジェクト

近年、周辺環境の悪化などにより、桜の衰退が加速しています。平成15年に玉川上水が国の史跡に指定されたことにより、小金井市は平成22年に「玉川上水・小金井桜整備活用計画」を策定しました。現在、官・民・学の協働で小金井桜の復活に取り組んでいます。

貴重なヤマザクラ並木を「次の100年、継承へ」

次世代に貴重な文化遺産を継承するプロジェクトは始まったばかりですが、ヤマザクラ並木の景観(=名勝)の保護・再生が少しずつ進み、江戸時代の面影や歴史を感じられる東京都内では稀有な存在となりました。

小金井市は、令和6年の名勝指定100周年を契機に小金井桜を「知る つなげる 笑顔広がる」ことを事業理念に掲げ、小金井桜の歴史を尊び、次の100年に繋いでいきます。

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